2018年12月22日(土)から2019年1月27日(日)まで、熊谷恒子記念館(大田区南馬込)で、
新春特別企画「和紙とかなの調和」が開催されます。

熊谷恒子は、昭和期に現代かな書家として書壇の第一線で活躍した人物です。恒子の書には、
気品のある美しさが感じられます。恒子は、かなについて「女性の手によって作られたといふ
事は何 としても我々女性として誇を感ずる次第ではあるまいか。」と主張しており、
女性としてかなの品位を重んじていたことがわかります。恒子は女性の書や文学への関心が高く、
清少納言や紫式部、大田垣蓮月など文学界で活躍した女性作家の作品を題材にした
書を多く残しています。

2018年12月22日(土)から2019年4月14日(日)まで開催される「平成 30 年度 大田区立熊谷恒子記念館
かなの美展 『優美の調和 女性とかな』」では、、平安時代中期に清少納言により
執筆されたと伝わる『枕草子』の《秋はゆふぐれ》(1935年)や、光源氏を主人公に平安時代の貴族社会
を描いた『源氏物語』の《すまには》(1964年)、夫と死別した後に尼となり和歌と陶芸を学んだ
京都出身の大田垣蓮月の和歌など、約二十点の作品が展示されます。昭和を代表する孤高な書家
となった恒子は、平安朝のかなを基盤に高貴な作風を確立しました。
『枕草子』の《月のいとあかき》(1979年)は、八十代半ばを迎えながらも、まっすぐ筆を立てた筆法で
表現された線が、大画面の中で凜とした印象を与えます。清少納言や紫式部といった女性の活躍が、
かなを発展させる上において一つの原動力となったと考えられています。平安古筆の習熟に努め、
現代のかなに調和した恒子の優美な書を紹介します。

本展示の期間中(2018年12月22日~2019年4月14日)、新春特別企画と題して、「和紙とかなの調和」が
開催されます。天然繊維の柔和な和紙造形作品と熊谷恒子の優美なかな書の新春を飾るコラボレーション。
手漉き和紙を用いて、伝統工芸の新たな表現を生み出す細谷照子の作品をお楽しみください。

——————————————————————————–
平成30年度 大田区立熊谷恒子記念館 かなの美展 「優美の調和 女性とかな」
新春特別企画「和紙とかなの調和」
——————————————————————————–
■「平成30年度 大田区立熊谷恒子記念館 かなの美展」会期
2018年12月22日(土)から2019年4月14日(日)まで
■新春特別企画「和紙とかなの調和」 展示期間
2018年12月22日(土)から2019年1月27日(日)まで
■開館時間
9:00~16:30 (入館は 16:00 まで)
■休館
月曜休館
なお、12月24日(月・休)、2019年1月14日(月・祝)、2月11日(月・祝)は開館し
12月25日(火)、2019年1月15日(火)、2月12日(火)に休館。
■年末年始休館
12月29日(土)~2019年1月3日(木)
■入館料
大人100円、小人50円
※65 歳以上(要証明)と 6 歳未満は無料
■会場
大田区立熊谷恒子記念館(大田区南馬込4-5-15)
■アクセス
○JR京浜東北線 大森駅西口(山王方面)から
東急バス 4 番「荏原町駅入口」行乗車「万福寺前」下車、徒歩5分
○都営地下鉄浅草線 西馬込駅南口から
徒歩10分