2021(令和3)年8月6日(金)、大森銀座商店街「Milpa」にお店を構える「洋食亭おおはし」に、子どもオムライス食堂がオープンしました。毎月第一金曜日、訪れた親子に笑顔の花が咲きます。回を重ねる度に、地域の方々からの真心の応援も。店主ご夫妻の思いと、子どもオムライス食堂のオープンをサポートされた大田区社会福祉協議会のご担当者、地域ささえあいセンターさんのお話を伺いました。(記事:吉田比呂子)

店主ご夫妻がこどもオムライス食堂に込めた思い

 卵の黄色とケチャップの赤。
 思い浮かべるだけで、温かくハッピーな気持ちになりませんか?
 コロナ禍において、仕事や生活での悩みや困難に直面しなかった人は、一人もいないのではないかと思います。大人が感じている以上に、子どもたちが受けている影響を考えた時に、たった一人でもいいから、笑顔になってほしい、楽しかったと思ってもらえる居場所が作れたら、との思いで、子どもオムライス食堂をオープンすることにしました。
 始めてみて分かったことですが、「誰かの力になる」ということは、そんなに簡単なことではありません。主催者も来て下さる方も楽しく、どなたでもお越しいただける雰囲気の中で、「心の通いあう場所」が求められているのではないかと感じています。これまで4回開催することができ、周囲の皆さまのご協力を頂いて、私たちの思いが少しずつ形になっていることに、心から感謝しております。
いつからか、”近所のおじさん・おばさん”のような、地域の子どもたちに関わる大人たちの存在が少なくなり、地域の力で子どもたちを育んでいく、ということが残念ながら薄れつつあると思います。自分たちのために頑張ってくれている大人、一生懸命な大人の姿を見ながら成長した子どもたちは、人とのつながりによって生まれた、他者を思う心が育っていくのではないでしょうか?私たち夫婦も、子どもを持つ親として、また、地域社会における一個人として、笑顔が広がっていくための行動を、楽しく地道に続けていきたいと考えています。看板犬のミッキーと一緒にお待ちしております!
子どもオムライス食堂
日 時:毎月第一金曜日 15時~18時
料 金:子ども無料 大人300円
食 数:限定20食 ※テイクアウト不可
問合せ:洋食亭おおはし
住所:大田区大森北1-29-6
電話:03-5493-5133
HP https://www.youshokutei-oohashi.com
インスタグラム @19600923aaa

地域ささえあいセンター センター長 澤登様

 介護の専門職として地域の方々と関わる中で、コロナ禍による外出自粛が続き、足腰が不自由になったり、精神的な不調をきたす高齢者の方を多くお見受けしてきました。他者とのつながりがなくなることで、先が見えない不安を抱えているのは、高齢者だけではありません。
例えば仕事が減る、もしくはリストラに遭うなどの状況の変化は不安につながり、心身ともに病気にかかるリスクが高まる恐れがあります。地域の中に居場所があることで、他人には知られたくない悩みがあっても、そこに行けばほっとできる、地域の安全地帯のような役割が、こども食堂にはあるのだと思います。
 コロナ禍により、出会いの機会が失われている中、子ども食堂を開きたいという大橋さんご夫婦のお話を伺い、時間をかけて思いを共有し寄り添いながら、公的機関との連携と、地域への周知をさせて頂きました。オムライスは子どもだけではなく、大人も幸福感を味わえる食べ物の一つ。特に、旗が乗っているオムライスには特別感が。「子どもがものすごい勢いで、たくさん食べてくれた」というお母さんたちの嬉しい声もたくさん聞くことができました。手作りの食事でほっこりするひとときがもたらす安心感を、全ての人に。これからも「幸せのオムライス」の輪が地域に広がっていくことを願っています。

大田区社会福祉協議会 地域福祉コーディネーター 河野様 / 子ども食堂担当 高橋様

 子ども食堂は、地域の子どもから高齢者まで、どなたでも一人でも安心して来られるような、地域の居場所です。
大田区社会福祉協議会が把握している区内の子ども食堂数は、31か所(2021年11月15日現在)。ボランティア団体や飲食店をはじめ、現在準備中の子ども食堂も多数あり、増加傾向にあります。コロナ禍による様々なニーズで、子ども食堂等が行うフードパントリーへの利用も増えています。子育て世帯のお母さんたちからは、「夕食を作らずに済むので、助かる」「楽しく食事ができた」などの声が寄せられ、喜ばれています。

子ども食堂を開いてみたい、という方へ

 ぜひ、大田区社会福祉協議会へご連絡ください。立ち上げのご支援や、すでに活動されている地域のこども食堂などのご紹介もさせていただきます。現在はコロナ禍で、本来の子ども食堂の“集って”ボランティアさんが作った料理をみんなで食べるということが、思い通りに出来ていない状況です。この点においては、感染対策をしながらの開催や、お弁当・食事配布に切り替えた開催となっています。
 子ども食堂の最新情報は、大田区社会福祉協議会または団体様へ直接お問い合わせください。
コロナ禍で活動状況に日々変動があるため、大田区社会福祉協議会HPにて「休止中」等の情報をご確認ください。
●大田区社会福祉協議会HP:https://www.ota-shakyo.jp/service/06/kodomo